一夜限りの幻想的なサガリバナ

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ゆらゆら揺れて咲くサガリバナ
6月から8月にかけて見られるサガリバナは、沖縄の夏を象徴する花のひとつです。
夜に咲いて朝には散る「一夜花」として知られ、その短い開花時間から「幻の花」とも呼ばれています。
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サガリバナの特徴
サガリバナは、熱帯〜亜熱帯に自生するサガリバナ科の常緑高木で、日本では沖縄の湿地や川沿いなどに見られます。
長い花柄を持ち、ふさのように垂れ下がって咲くのが特徴です。
開花は夕方から始まり、夜のうちに満開となり、明け方には花が落ちてしまいます。
花色は白や淡いピンクで、開花中には甘くやわらかな香りを漂わせます。
サガリバナの象徴
民間伝承では「幸福の象徴」ともされ、沖縄の伝統工芸・紅型にも描かれ親しまれています。
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写真で見るサガリバナの一晩
夕方:つぼみの状態
夕方になると、白い玉のようなつぼみがゆっくりと膨らみ始めます。

サガリバナの蕾
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このつぼみが、夜にかけてゆっくりと開いていきます。

サガリバナの蕾が開いていく様子
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夜:開花したサガリバナ
夜になると、こんな綺麗な花を咲かせます。真っ暗な中にゆらゆらと咲く姿はとても幻想的です。

夜にはこんな姿でゆらゆらと咲いています。
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明け方:地面に落ちた花
明け方の様子。夜が開ける頃には地面に散ってしまうのです。

明け方 – 地面に散ったサガリバナ
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サガリバナが見れる場所
サガリバナは沖縄本島をはじめ、八重山諸島や宮古諸島でも見られます。特に西表島では、カヌーツアーに参加して夜の開花を水上から観賞する体験が人気です。
首里・瑞泉通りの並木道
本島の街中でもサガリバナを楽しめる場所のひとつが、那覇市首里崎山町にある「瑞泉(ずいせん)通り」です。
この通りは、首里城の裏手にあり、近くにある泡盛の蔵元「瑞泉酒造」にちなんでその名がつけられました。
通りの入り口にはシーサーの像が立ち、地元の人々にも親しまれています。
夏になると、通り沿いに植えられたサガリバナが夕方から咲き始め、夜の散策を楽しむ人の目を楽しませてくれます。
- 瑞泉(ずいせん)酒造所
- 瑞泉(ずいせん)通りのシーサー
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瑞泉通りのサガリバナ並木は、「美ら島おきなわ・花と緑の名所100選」にも選ばれています。

瑞泉通りのサガリバナの案内板。
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サガリバナ(barringtonia racemosa)
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この季節に首里城まで訪れる方は、この通りまで足をのばしてみてはいかがでしょうか。
所在地 :沖縄県那覇市首里崎山町1−3−8
季 節 :5−9月
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サガリバナの基本情報
花名:サガリバナ
科名:サガリバナ科
属名:バーリングトニア属
別名:サワフジ
学名
英名:Barringtonia Racemosa
花期:6月~8月
花色:白、ピンク
花言葉:幸運が訪れる
サガリバナの仲間
- グスタビア
- ナポレオンズハット
- ホウガンノキ
参考:『花しらべ花認識/花検索』アプリ
花と緑の名所100選, おきなわ緑と花のひろば, 2025.5.15
※この記事は、関連サイト「Azure Garden」の自然を楽しむブログより移行・再編集したものです。(2025.5.15)