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「冬の特別展 世界のクリスマス – 祈りと喜びの彩り」を訪ねて

世界のクリスマス展2024
Outings

あけましておめでとうございます。今年も、日々の生活に彩りを添える出来事を大切にしたいと思っています。

そんな新年の始まりに訪れたのが、兵庫県姫路市の日本玩具博物館で開催中の冬の特別展 世界のクリスマス 祈りと喜びの彩りでした。

昨年末は体調を崩して外出できず、季節のイベントを楽しむ機会がありませんでしたが、クリスマスについて調べているうちに偶然この展覧会を知り、新年の開館を心待ちにしていました。

冬の特別展の概要

この特別展では、世界55ヶ国から集められた約1,000点のクリスマスオーナメントや人形、玩具が展示され、多彩なクリスマス文化を紹介しています。企画展のテーマは2つ。「祈りの造形」では降誕人形などを通じてクリスマスの精神を感じられる内容、一方「クリスマス紀行」ではヨーロッパを4つに分けた地域ごとの特色を楽しむことが出来ます。

世界のクリスマス

館内に足を踏み入れると、目の前には世界中のクリスマスツリーが広がり、それを彩る繊細で美しい装飾が目に飛び込んできました。子供の頃に戻ったような気持ちで、思わず「わーっ」と声を上げてしまいました。

世界のクリスマス展

世界のクリスマス展

静かな空気に包まれた会場では、どのツリーや装飾も独特の個性と魅力を放ち、どこから見始めようか迷ってしまうほどでした。

ショート動画はこちら

温かみある自然素材のオーナメント

今回の展示物の中で、特に印象的だったのが自然素材を使ったオーナメント(クリスマス飾り)でした。木や麦わらなどのシンプルな素材が使われているのに、どれも温かみのある雰囲気を持ち、見ているだけで心がほっとするような魅力がありました。

北欧の藁のオーナメント

北欧の藁のオーナメント

自然素材のオーナメントが飾られたツリー

自然素材のオーナメントが飾られたツリー

派手さはないものの、その素朴さの中に自然の豊かさや手作りの温もりを感じ、思わず足を止めてじっくり見入ってしまいました。改めて、こうした素材が持つ力や魅力に気づかされます。

トウモロコシの皮でできたキリスト降誕人形 - チェコ

トウモロコシの皮でできたキリスト降誕人形 – チェコ

こちらはフィンランドの木と木屑で構成された降誕祭の様子です。
中央には、丸みを帯びた形状の登場人物たちが配置され、キリストの誕生を祝う様子が描かれています。木目の美しさが際立ち、それぞれのキャラクターに表情や衣装を描かなくても、その存在感と雰囲気が伝わるのが魅力的です。囲む羊たちの小さなフォルムもとても愛らしいです。

木と木屑の降誕祭の様子 - フィンランド

キリスト降誕人形 – フィンランド

このような自然素材を活かしたクリスマス飾りには、北欧らしいシンプルな美意識と深い精神性が宿っているように感じられました。

様々な素材のクリスマス飾り

東ヨーロッパの伝統レースの繊細な美しさや小麦のオーナメント。

レースを使ったオーナメントは、東ヨーロッパの職人による伝統的な技法が息づいており、一つひとつが手作業で丁寧に作られていることが伺えます。その繊細な編み目と均整の取れたデザインは、クリスマスを祝う心が込められた芸術作品そのものです。

このようなレースのオーナメントは、東ヨーロッパ特有の文化的な遺産を感じさせると同時に、クリスマスに欠かせない優雅さを演出してくれますね。

こちらはポーランドの小麦のオーナメント(ピエルニク)です。後で調べてみたところ、ピエルニクとはスパイスを効かせた香ばしいクッキーを使った、ポーランドの伝統的なクリスマスオーナメントだそうです。

小麦粉のオーナメント(ピエルニク) - ポーランド

小麦粉のオーナメント(ピエルニク) – ポーランド

ツリーに飾られた動物や人形の形をしたクッキーは、素朴でありながら、クリスマスらしい温かなジンジャーの香りを想像させ、伝統のぬくもりを感じさせてくれます。

こちらは同じクッキーでもカラフルにデザインされたアイシングクッキー。

セルビアのアイシングクッキーのクリスマス飾り

セルビアのアイシングクッキーのクリスマス飾り

クリスマス飾りを通じて世界の文化を知る

こちらはデンマークの「ニッセ」たちで、クリスマス粥を作る様子が描かれた飾りです。ニッセとは北欧の伝承に登場する家や農場を守る妖精で、特にクリスマスの時期には家族を見守りながら祝祭の準備を手伝う存在だそうです。

この飾りでは、赤い帽子をかぶったニッセたちが、木のスプーンを手にクリスマス粥を作る様子が表現されています。デンマークではクリスマス粥が家庭の食卓を彩る定番料理のひとつ。このような飾りを眺めていると、家族が集まり温かな時間を過ごすデンマークのクリスマスの食卓の様子が自然と目に浮かび、なんだか楽しくなりますね。

クリスマス粥をつくるニッセたち - デンマーク

クリスマス粥をつくるニッセたち – デンマーク

どの展示物も、その土地の風土や文化を鮮やかに映し出しています。

展示を楽しんでいるとき、館長の井上氏と偶然お会いするという幸運に恵まれました。ありがたいことに、コレクションにまつわるお話を直々に伺う機会をいただきました。井上館長が語る「玩具を通じて文化や伝統を未来へつなぐ意義」に触れるうちに、展示物が持つ深い意味に気付かされました。一つひとつの飾りが、ただの装飾ではなく、歴史や人々の想いを語る特別な存在として心に響いてきました。

今年初めての「彩り」として

この展示は、私にとって新年初の「彩り」となりました。これまで見たことのない素晴らしいコレクションに出会い、世界中のクリスマス飾りを通して文化の多様性や、玩具から見えてくる生活文化の価値を学ぶ、かけがえのない時間を過ごすことができました。

もし、まだこの素晴らしい「世界のクリスマス展」に足を運んでいない方がいらっしゃれば、新しい年の始まりを彩る特別なひとときとして、ぜひ訪れてみてください。

イベント&施設情報

イベント名 :世界のクリスマス展
イベント期間:2024.11.2 – 2025.1.26
公式URL  :「世界のクリスマス 祈りと喜びの造形」

施設名 : 日本玩具博物館

公式URL:https://japan-toy-museum.org
住所  : 兵庫県姫路市香寺町中仁野671-3

詳細につきましては、公式ページよりご確認ください。

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