カンヒザクラ(寒緋桜)|沖縄で見られる2種類の桜

カンヒザクラ(寒緋桜)
Nature

カンヒザクラ

中国や台湾が原産のカンヒザクラ(寒緋桜)は、日本では特に沖縄県でよく見られ、1月終わり頃から咲く早咲きの桜として知られています。

カンヒザクラの特徴

カンヒザクラ(寒緋桜)

カンヒザクラ(寒緋桜)

サクラの代表格であるソメイヨシノとは対照的に、カンヒザクラは鮮やかなピンク色が特徴です。また、花は開ききらず釣鐘型をしており、散るのではなく萼(がく)ごと落ちるのも特徴です。

早咲き品種の交配親で知られているカンヒザクラ

カンヒザクラは栽培品種の片親として利用されています。
カンヒザクラを片親に持つ代表品種としてカワヅザクラが知られています。その他にはヨウコウヨコハマヒザクラなどもカンヒザクラから作出されています。

カンヒザクラ(寒緋桜)

カンヒザクラ(寒緋桜)




沖縄で見られるカンヒザクラは2種類ある

私の地元・沖縄では、1月下旬になると各地で桜まつりが開かれます。なかでも『もとぶ八重岳桜まつり』は特に有名で、多くの県民が楽しみにしているイベントです。

これまで沖縄で咲く桜は『カンヒザクラ』だけだと思っていました。ところが最近になって、花の咲き方が異なる『リュウキュウカンヒザクラ』という種類があることを知りました。

実家の近くに咲いている桜の写真を見返してみると、確かにカンヒザクラとは違った姿をしているのが分かります。

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リュウキュウカンヒザクラ(Ryukyu Taiwan Cherry)

リュウキュウカンヒザクラは、カンヒザクラのような鮮やかなピンクではなく、優しいピンク色をしています。
これはカンヒザクラとは区別され、『リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)』と呼ばれています。

リュウキュウカンヒザクラ(Ryuku taiwan cherry tree)

リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)



カンヒザクラとリュウキュウカンヒザクラの違い

カンヒザクラとリュウキュウカンヒザクラの違いを表にまとめました。

カンヒザクラ(Taiwan cherry tree)

カンヒザクラ(寒緋桜)

リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)

リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)

項目 カンヒザクラ(寒緋桜) リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)
花の色 鮮やかな濃いピンク やわらかい淡いピンク
咲き方 花は開ききらず、釣鐘状に咲く 花は平たく開く
散り方 花は萼ごとポロリと落ちる ソメイヨシノに近く、花びらが舞い散る
その他 カワヅザクラなど交配品種の片親

桜の季節に沖縄を訪れた際は、ぜひ観察してみてください。

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参考:サクラハンドブック 文一総合出版 大原隆明 2009.03.01




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