日本原種のバラ「ハマナス」の魅力:花から実まで楽しむ自然の恵み

日本原種のバラ – ハマナス
日本に自生するバラの一つ、「ハマナス(Rosa rugosa)」は、特に北海道の海岸沿いで多く見られる植物です。厳しい海風や塩分にも強く、1〜2メートルほどの高さに育ちます。5枚の大きな花びらを持ち、鮮やかなピンクや赤紫、まれに白の花を咲かせます。

北海道知床の海岸沿いに原生する浜なすの花
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海辺の砂地など、過酷な環境にも関わらず毎年花を咲かせる姿は、とてもたくましく感じられます。バラの仲間でありながら、どこか素朴な雰囲気もあり、派手すぎず親しみやすい印象です。
ハマナスの実(ローズヒップ)
秋になると、ハマナスは「ローズヒップ」と呼ばれる赤い果実を実らせます。

ハマナスのローズヒップ(Japanese rose rosehip)
この果実はビタミンCが豊富で、昔からお茶や薬、ジャムなどに使われてきました。
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見た目はミニトマトのような丸い形で、緑からオレンジ、赤へと熟していく色の変化も楽しめます。

青から赤い実へと変化していくローズヒップ(Japanese Rose – rosehip)
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葉の間に赤く色づいた実が見え始めると、夏の終わりと秋の気配を感じます。小さな実ですが、ひとつひとつがころんと丸くてしっかりしていて、見た目のかわいらしさから観賞用としても人気があります。
知床で見たハマナスの風景
以前、10月に知床を旅した際、道沿いのあちこちにハマナスが咲いているのを見て驚きました。
それまでの私は、ハマナスといえば植物園や図鑑の中で見るもので、身近な風景として意識したことがなかったのです。

海岸沿いに咲くハマナス(浜なす)- 北海道知床にて
知床では、まるで沖縄でハイビスカスが道端に自然と咲いているように、ハマナスが日常の景色として、しかもたくさん咲いていました。
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ちょうどその時期は、花と実の両方が同時に見られるタイミングで、ピンクや白の花の横に赤い実が並んでいる光景がとても印象的でした。
- 白のハマナスとローズヒップ(Japanese rose)
- ピンクのハマナスとローズヒップ(Japanese rose)
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