奈良・おふさ観音|提灯とイングリッシュローズが彩る「和」のバラ園

バラ園と聞くと、洋風庭園やクラシカルなガーデンを思い浮かべる方も多いかもしれません。
奈良・橿原市にあるおふさ観音では、そんなイメージとは少し異なる、“和”のバラ風景に出会うことができます。
今回訪れたのは、5月中旬から始まる「バラまつり」には少し早い季節。
ちょうど春の提灯祭りが開催されており、色とりどりの提灯に彩られた境内では、咲き始めたバラが初夏の訪れを感じさせていました。
提灯とバラに彩られた、おふさ観音ならではの春景色をご紹介します。
おふさ観音とは
奈良県橿原市にあるおふさ観音は、「花まんだらのお寺」として親しまれている古寺です。
“まんだら(曼荼羅)”とは、仏様の世界を表すもの。おふさ観音では、四季折々の花々によってその世界観が表現されています。
春から初夏にかけてはバラ、夏は風鈴、秋には秋バラと、季節ごとに異なる風景を楽しむことができます。
提灯まつり
春のおふさ観音では、境内を彩る「提灯まつり」も見どころのひとつです。
赤や黄色、水色など色鮮やかな提灯が境内いっぱいに吊るされ、提灯のアーチが春らしい賑わいを作り出していました。
木造建築に寄り添う穏やかな空間がある一方で、カラフルな提灯と咲き始めたバラが重なり合い、おふさ観音ならではの個性的な景色を楽しむことができます。

境内を彩る色とりどりの提灯アーチ
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提灯は室町時代に中国から伝わり、古くから神仏へのお供えとして寺社で大切にされてきたものだそうです。
また、暗闇を照らす灯りには、魔除けや厄除けの意味も込められているとのこと。
境内には2,000個以上もの提灯が飾られており、“世の中を明るく照らしたい”という願いとともに、春の境内を鮮やかに彩っていました。

境内の散策路から眺める色彩豊かな提灯たち
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和風庭園への回廊と提灯
バラまつり
おふさ観音でバラ栽培が始まったのは1995年。
以来、寺内で大切に育てられ、現在では境内のいたるところで多彩なバラを楽しめるようになったそうです。
5月中旬から始まる「バラまつり」の時期には、境内が色とりどりのバラに包まれます。

提灯まつりの中で次のシーズンを待つバラたち
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ゴールデンウィーク後半に訪れたこの日は、ちょうど少しずつ花が咲き始めた頃。
提灯祭りの賑やかな景色のなかで、次の季節を待つバラたちの姿が印象的でした。

たくさん蕾をつけたバラ
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境内にはまだ蕾も多く、本格的な見頃はこれから。
それでも、ふっくらと膨らんだ蕾や咲き始めた花々からは、これから迎える最盛期への期待が感じられます。

境内のバラはまだ蕾も多く、本格的な見頃はこれからという時期。
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陽光を受けて鮮やかに咲くピンク色のバラ。
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また近年では、四季咲きで香り豊かなイングリッシュローズにも力を入れられているようです。
ふんわりと重なる花弁を持つイングリッシュローズや、鮮やかなピンクのバラが陽光を受けて咲く姿は、古寺の風景にも自然と馴染んでいました。

やわらかな色のイングリッシュローズも見られました
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イングリッシュローズについて詳しくはこちらで紹介しています。
和の空間に溶け込むつるバラ
イングリッシュローズのほかに、散策路では一重咲きのバラやノイバラなど、野生バラの姿も見られました。

散策路に咲く一重咲きのバラ。
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野生バラは見頃を迎えていました
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さらに境内を歩いていて印象的だったのが、竹垣や格子に沿って伸びるつるバラの風景です。
やわらかなピンクのつるバラは、竹垣に沿うよう丁寧に誘引されており、竹の造作を活かした見せ方にも趣を感じました。

竹垣に誘引されたつるバラ
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竹垣に絡ませたつるバラ
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こちらはまだこれから花開くものも多く、満開の景色を想像しながら歩く時間も、この時期ならではの楽しみです。

竹の格子に絡ませたつるバラ
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規則的に組まれた竹のラインに、自由に枝を伸ばすバラが重なり、おふさ観音らしい“和のローズガーデン”の風景が広がっていました。
日本庭園「円空庭」
庭園へと続く散策路では、提灯が揺れる回廊の先に、小さなランタンやガラス飾りも並び、空間に遊び心を添えていました。
色とりどりの提灯や個性的な装飾が境内を彩り、おふさ観音ならではの独創的な雰囲気を楽しむことができます。

散策路の風景
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境内の奥には、池を中心にした日本庭園「円空庭」が広がっています。
提灯に彩られた賑やかな境内とはまた異なり、こちらでは木々や水辺が織りなす穏やかな景色を楽しむことができました。

提灯が彩る日本庭園「円空庭」。池泉庭園の静かな風景が広がっていました。
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茶房おふさ

茶房おふさへ
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庭園を眺めながら、抹茶金時のかき氷でひと休み。

日本庭園を眺めながらいただいた、茶房おふさの抹茶金時かき氷。
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茶房では、きのこやくらげ、UFOなど、ユニークな形の提灯も飾られていました。
遊び心ある装飾の数々からも、「訪れた人に楽しんでもらいたい」という、おふさ観音らしい温かな雰囲気が感じられます。

日本庭園を眺めながらゆったり過ごせる、おふさ観音の茶房空間
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くらげやきのこ、気球など、遊び心あふれるユニークな提灯も飾られていました
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参拝とご利益
花々に彩られた境内には、おふさ観音ならではの祈りの風景も広がっています。
境内で印象的だったのが、美しいバラが描かれた絵馬。
華やかな花姿とともに願いごとが並び、“バラの寺”として長く親しまれてきたおふさ観音らしさを感じました。

おふさ観音のバラの絵馬
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また、境内には「仏足石(ぶっそくせき)」も置かれています。お釈迦様の足裏を刻んだものと伝えられており、足腰の健康を願って手を合わせる方の姿も見られました。

足腰の健康を願う「仏足石」。お釈迦様の足裏を刻んだものと伝えられています。
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おふさ観音には、身体健康や病気平癒(ぼけ封じ)、厄除け、子授け・安産など、さまざまなご利益があるとされています。
華やかな提灯やバラを楽しみながら、静かに手を合わせられるのも、お寺ならではの魅力でした。
おわりに
奈良・おふさ観音は、バラを“庭園の花”としてだけではなく、日本の風景や季節の行事とともに楽しめる場所でした。
境内には、提灯やバラだけでなく、アジサイや季節の花々も並び、歩いているだけで自然と気持ちが華やいでいきます。

バラだけでなく、クレマチスやアジサイなど季節の花々も境内を彩っていました。
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「花を通して訪れる人に元気になってほしい」――そんな想いが伝わってくるようなおふさ観音。
“花まんだらの寺”と呼ばれるように、境内には多彩な花々が彩りを添え、提灯とともに印象的な春景色を作り出していました。
これから見頃を迎えるイングリッシュローズとともに、奈良ならではの少し特別なバラ風景を楽しめる場所です。
おふさ観音の基本情報
施設名 : おふさ観音
住 所 : 〒634-0075 奈良県橿原市小房町6−22
公式URL:https://www.ofusa.jp
※最新情報は公式サイトをご確認ください。

































