2022年春 造幣局「桜の通り抜け」| 3年ぶりの開催

造幣局「桜の通り抜け」2022
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長く続いたコロナ禍の不安な日々を乗り越え、2022年春、「桜の通り抜け」が3年ぶりに開催されました。
待ちわびていた春の風景が、ようやく戻ってきた年となりました。

令和での開催は初となる2022年は、4月13日(水)〜4月19日(火)まで開催され、桜の彩りを求めて、多くの人々が再びこの場所を訪れ、春の再開を静かに喜んでいるように感じられました。

「桜の通り抜け」の魅力

毎年春の風物詩として親しまれている「造幣局 桜の通り抜け」は、大阪市北区天満にある造幣局本局の南門から北門まで、約560メートルの通路を一般公開し、多彩な桜を楽しめる恒例のイベントです。

令和4年 造幣局「桜の通り抜け」

令和4年 造幣局「桜の通り抜け」

・八重咲きを中心とした珍しい品種が楽しめる
・会場は国指定の史跡スポット
・造幣局周辺の川沿いの桜並木と、水上バスや屋形船が行き交う春の風景も魅力

造幣局で見られる桜は、全体の約8割が八重桜です。ソメイヨシノの見頃を迎える頃に開花し、春の後半に楽しめる遅咲きの品種が中心です。

また、来場者の投票によって選ばれる「今年の花」にも注目が集まります。

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印象に残った桜の品種たち

初めて訪れた桜の通り抜けで、紹介したい花はたくさんあるのですが、「今年の花」と合わせて特に印象に残った5品種をご紹介します。

✿ 令和4年 今年の花「福禄寿(ふくろくじゅ)」

まず最初にご紹介したいのが、2022年の「今年の花」に選ばれた「福禄寿(ふくろくじゅ)」です。
桜の通り抜けでは、毎年、来場者の投票によって選ばれた品種が「今年の花」として特別に紹介されます。

大島桜系の桜で、波打つようなしわが特徴とのこと。

福禄寿(ふくろくじゅ)- 2022 Cherry of the Year: 'Fukurokuju'

福禄寿(ふくろくじゅ)- 2022 Cherry of the Year: ‘Fukurokuju’

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開催を記念して、「福禄寿」のイメージがデザインされた貨幣セットなども会場内で販売されており、私も記念にひとつ購入しました。

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✿ 園里黄桜(そのさとざくら)

初めて訪れると一番目につくと思うのがやはりこの黄緑色の桜です。
緑色ということで、通り抜けの中でも、特に人々の注目を集めていました。

園里黄桜(そのさときざくら)- Sonosatokizakura

園里黄桜(そのさときざくら)- Sonosatokizakura

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黄緑色に緑の筋が入っているのが特徴です。

園里黄桜(そのさときざくら)- Sonosatokizakura

園里黄桜(そのさときざくら)- Sonosatokizakura

✿ 御衣黄(ぎょいこう)

こちらも黄緑つながりで珍しい品種です。
咲き進むにつれて、中心が紅色になるのが特徴です。この品種の方が、園里黄桜と比べると緑が強い印象です。

御衣黄(ぎょいこう)- Gyoikou sakura

御衣黄(ぎょいこう)- Gyoikou sakura

✿ 数珠掛桜(じゅずかけざくら)

数珠掛桜(じゅずかけざくら)- Juzukakezakura

数珠掛桜(じゅずかけざくら)- Juzukakezakura

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小さな蕾が、まるで数珠の玉のように可愛らしく、思わず目に留まりました。
その名前の響きと花の印象が重なり、なんとも心に残る桜です。

親鸞聖人が桜の枝に数珠をかけられたという故事から、この名が付けられました

― 造幣局内 桜の樹銘板より

※親鸞聖人(しんらんしょうにん):鎌倉時代の仏教僧で、浄土真宗を開いた人物。信仰と平等を説いた教えで知られています。

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写真を見返して気づいたのですが、樹銘板のすぐ近くの枝には、実際に小さな数珠が掛けられていました
静かにたたずむその姿が、花と名前の由来をつなぎ、いっそう深く印象に残りました。

数珠掛桜(じゅずかけざくら)- Juzukakezakura

数珠掛桜(じゅずかけざくら)- Juzukakezakura



✿ 普賢象(ふげんぞう)

花色は淡い紅色からやや白みがかった桃色で、花の重なりが柔らかく、気品のある八重桜の代表格ともいえる存在です。

普賢象(ふげんぞう)- Fugenzou sakura

普賢象(ふげんぞう)- Fugenzou sakura

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室町時代からある有名な桜で、花の中心から雌しべが突き出している様子が、普賢菩薩(ふげんぼさつ)が乗っている象の形に似ているということからこの名がついたそうです。

普賢象(ふげんぞう)- Fugenzou sakura

普賢象(ふげんぞう)- Fugenzou sakura

先に紹介した黄緑色の「園里黄桜」はこの普賢象の枝がわりのようで、中心から雌しべが突き出しているところはこの品種から受け継がれたように思います。

✿ 松月(しょうげつ)

初めは薄紅色、咲き進むにつれて白色へと変化していく、可愛らしいポンポンのような桜です。
花の中心から雌しべが突き出す姿は、普賢象にも似た印象があります。

松月(しょうげつ)- Shougetsu sakura

松月(しょうげつ)- Shougetsu sakura

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松月(しょうげつ)- Shougetsu sakura

松月(しょうげつ)- Shougetsu sakura


この品種の他にも手毬のようなポンポン咲きの八重咲きの桜がたくさんありました。

まとめ

2022年の造幣局「桜の通り抜け」では、コロナ明けということもあり、普段とはまた違った嬉しさがありました。
初めて出会った黄緑色の桜や、珍しい品種との出会いは、とても心に残る思い出です。
来年はまた、どんな桜が「今年の花」として選ばれるのか──今から楽しみにしています。

造幣局

造幣局

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開催概要(基本情報)

* 開催期間:2022年 4月13日(水)〜4月19日(火)
* 時間帯:(平日)10:00 〜 19:30 / (土日)9:00 〜 19:30
* 入場:無料(オンラインにて事前申込制)
* アクセス:詳細につきましては公式サイトをご確認ください。
* 公式サイト:https://www.mint.go.jp




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