クレマチスの魅力と特徴|萼が花びらに見えるつる植物の女王

4月〜10月にかけて見られる存在感のある花です。
クレマチスはつる性植物の女王と呼ばれ、バラと組み合わせて植えられることも多く、ガーデンデザインの定番ペアとして人気です。
クレマチスの特徴
クレマチスの特徴のひとつは、花びら(花弁)を持たないことです。
花びらのように見える部分は、実は「萼(がく)」です。

萼が花びらのように見えるクレマチス – Clematis
日本原種のカザグルマ(風車)
北半球の温帯地域で約250〜300種が自生していると言われるクレマチス。クレマチスの一種である「カザグルマ」は、日本の山間部に自生しています。この花は、軽やかな風車のような姿からその名が付けられました。

日本原種クレマチスの「カザグルマ」
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日本では、着物や和食器などのデザインにも取り入れられたりと古くからこの美しい花を愛でる文化があります。
イギリスでの品種改良
19世紀に入ると、ヨーロッパの園芸家たちは、アジア原産の植物に魅了されました。カザグルマもその一つで、その美しさに惹かれたイギリスのプラントハンターらが、これをヨーロッパに持ち込み、特にイギリスでは品種改良が盛んに行われました。

クレマチスは花の形や色、サイズが多彩で、青・紫・ピンク・白・赤など、庭園やアレンジメントに華やかさを添え、私たちを楽しませてくれます。
- アルバ・ラグジュリアンス – ‘Alba Luxuriant’
- コンテス・ド・ブショウ – ‘Comtesse de bouchaud’
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ニオべ – ‘Niobe’
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イギリスで品種改良が盛んに行われたこともあり、クレマチスにはロイヤルファミリーの名前がついた品種がいくつも見られます。
たとえば、「プリンス・チャールズ(Prince Charles)」という品種は、現国王が皇太子だった時代にその名を冠して命名されました。

プリンス・チャールズ – ‘Prince Charles’
クレマチスは、イギリス王立園芸協会(RHS)監修の書籍『世界で楽しまれている50の園芸植物』でも紹介されている、代表的なつる植物のひとつです。
クレマチスの基本情報
花名:クレマチス
科名:キンポウゲ科
属名:クレマチス属
別名:テッセン(鉄線)、カザグルマ(風車)
学名:Clematis spp.
英名:Clematis, Old man’s beard
花期:4月~10月
花色:白、青、紫、赤、ピンク、茶、緑
花言葉:高潔、旅の感激、心の美しさ
クレマチスの仲間
- アネモネ
- オキナグサ
- オダマキ
- クリスマスローズ
- シュウメイギク
- デルフィニウム
- ラナンキュラス
参考:『花しらべ花認識/花検索』アプリ
※この記事は、関連サイト「Azure Garden」の自然を楽しむブログより移行・再編集したものです。
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