梅の名勝と「はねず踊り」〜 随心院の春を彩る伝統 〜
/ Last updated: 2026.02.08
春の盛り、京都市山科区にある随心院を訪れました。
地下鉄小野駅から歩いて数分、住宅街を抜けた先に現れる静かな門前は、旅の気分を高めてくれます。
名勝・小野梅園
随心院の境内に広がるのは、国の名勝に指定された「小野梅園」。
ここで有名なのが「はねず梅」です。

随心院のはねず梅
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はねず梅とは、淡い紅色の花を咲かせる遅咲きの梅のこと。
「はねず色」と呼ばれるその色は、梔子と紅花を合わせて染められる独特の紅色で、鮮やかさを持ちながらも色あせやすい特徴があります。
そのため「移ろいやすさ」を象徴する色ともされ、古くから和歌や物語にも詠まれてきました。
梅園には数百本の梅が植えられ、春になると濃淡のある花色が重なり、境内全体がやわらかな紅色に染まります。

随心院の梅園
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はねず踊り
この日は遅咲きの梅と、朱華祭りを目当てに随心院を訪れました。
以前「花の間」で襖絵を見たとき、はねず踊りの場面が描かれていて強く印象に残りました。
その踊りが実際に祭りで奉納されると知り、ぜひ一度見てみたいと思ったのです。
舞台に現れたのは、はねず色の衣装をまとった地元の少女たち。
小野小町にまつわる「百夜通い伝説」を題材にした舞は、梅の花景色と重なって見え、境内を華やかな雰囲気にしていました。
はねず踊りは大正時代に一度途絶えたそうですが、地域の人々の手で昭和四十八年の春に復興され、今も受け継がれているそうです。
舞う少女たちの姿は、まるで襖絵から飛び出したように美しく、その歴史の重みを感じさせました。

はねず色の衣装をまとった少女たちが舞う、春のはねず踊り – 隨心院
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随心院のはねず踊り
また主催者の方によると、「はねず」という言葉は今ではこの地でしか使われていないとのこと。
随心院で守られてきた伝統に触れ、それを大切に受け継ぐ人々の想いに心を動かされました。
襖絵と重なる光景
夢中で舞を撮影していると、ふと随心院の「花の間」で見た襖絵を思い出しました。

随心院の襖絵
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そこには、踊りを見つめながらスマホやカメラを構える観客の姿が描かれていました。
見たときは不思議に感じましたが、この日、自分も同じように舞を撮影していました。
襖絵をきっかけに出会ったこの行事を、実際に自分の目で体感できたことが心に残りました。
春の随心院にて
梅の名勝とされる小野梅園の景観、朱華祭りのはねず踊り、そして襖絵から広がった出会い。
随心院の春は、花を楽しむだけでなく、人や伝統に触れることのできる特別な時間となりました。
参考:はねず踊り, 随心院, 2025.4.1
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・随心院の「花の間2025」を訪ねた記事はこちら。
スポット情報
スポット名 : 真言宗大本山 隨心院
公式URL: https://www.zuishinin.or.jp
住所 : 〒607-8257 京都市山科区 小野御霊町 35
詳細につきましては、公式ページよりご確認ください。
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