桜のような大輪を咲かせるアーモンド

アーモンドの花をご存知ですか?
アーモンドは3月〜4月にかけて花を咲かせる、バラ科スモモ属の落葉小高木です。
ナッツとして知られることが多い植物ですが、春にはサクラに似た美しい花を咲かせる花木としても楽しむことができます。
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アーモンドの特徴
早咲きで葉より花が先に咲く
ソメイヨシノよりやや早く開花し、葉より先に花が咲くのが特徴です。
※この記事の写真は4月上旬の様子で、花びらが散り始めているものも見られます。

アーモンドの花
1つの節に複数の花をつける
1つの節に複数の花をつけるのが、アーモンドの特徴のひとつです。
この性質は、同じスモモ属に分類されるスモモやアンズにも共通して見られます。

アーモンドの花
アーモンドの花はソメイヨシノよりひとまわり大きい
アーモンドの花は、代表的な桜であるソメイヨシノとよく似た白や淡いピンク色をしていますが、実際に見るとひとまわり、ふたまわりほど大きく感じられます。
- アーモンド
- ソメイヨシノ
花径はおよそ4〜5cmで、大輪に分類されます。
一方、ソメイヨシノは約3〜3.5cmほどで中輪。普通の桜や山桜は中輪くらいです。
参考までに、ソメイヨシノと、アーモンドの花のサイズを比較してみました。
分類 | 花径の目安 | 該当する花の例 |
---|---|---|
小輪 | 〜2.5cm | ― |
中輪 | 2.5〜3.5cm | ソメイヨシノ(約3〜3.5cm) |
大輪 | 3.5〜6.0cm | アーモンド(約4〜5cm) |
超大輪 | 6.0cm 以上 | ― |
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アーモンドの名前と由来
アーモンドの英名は Almond(アーモンド)。
和名では「扁桃(ヘントウ)」とも呼ばれ、果実の形が桃に似ていることに由来しています。
また、属名は Prunus(スモモ属) で、「サクラ」、「アンズ」、「ウメ」などと同じ仲間に分類されます。

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余談:ゴッホが描いたアーモンドの木
アーモンドと言えば、私が思い出すのはゴッホの《Almond Blossom (花咲くアーモンドの木の枝)》です。
仲の良かった弟テオに息子が生まれたことを祝い、ゴッホは春を告げるアーモンドの花を描いたと言われています。

Almond Blossom by Vincent van Gogh –
ゴッホの描いた「花咲くアーモンドの木の枝」
出典: Vincent van Gogh, “Almond Blossom“, 1890. Van Gogh Museum, Amsterdam. Public Domain.
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以前、アーモンドの花を知らなかった私は、この絵はずっと桜を描いたものだと思っていました。
のちに、作品のタイトルが《Almond Blossom (花咲くアーモンドの木の枝)》だと知ったとき、初めてアーモンドって桜に似た花をつけるんだと知りました。
桜と同じバラ科の植物なので、花の色や形がよく似ているのも、納得できたのを覚えています。
今回、初めてアーモンドの木に出会い、春の訪れを告げるその姿に、甥っ子の誕生を祝って描かれたゴッホの絵のことをふと思い出しました。
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ゴッホの《花咲くアーモンドの木の枝》についてはこちらでも紹介しています。

アーモンドの基本情報

アーモンド(扁桃)- Almond
花名:アーモンド
科名:バラ科
属名:スモモ属
別名:ヘントウ(扁桃)、ハタンキョウ(巴旦杏)
学名:Prunus dulcis (=Amygdalis communis)
英名:Almond
花期:2月~4月
花色:白/ピンク
花言葉:希望、無分別、真心の愛
スモモ属の仲間
- アンズ
- ウメ
- スモモ
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