【植物に学ぶ東洋文化】アンズ(杏)と孔子が学びを語った場所『杏壇』とは」
/ Last updated: 2025.10.29
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アンズ(杏)とは?
アンズ(杏)は、春の訪れとともに桜に似た白や淡いピンク色の花を咲かせる、美しい果樹です。
東洋文化においては、このアンズが「学問」や「人徳」の象徴として語り継がれてきました。自然の中に息づくこうした象徴性から、多くの学びを得ることができます。
湯島聖堂に見られる杏の木
東京都文京区にある湯島聖堂は、江戸時代初期に建てられた儒学の学び舎であり、「日本の学校教育の発祥の地」とも言われています。
私がアンズの木と出会ったのも、この湯島聖堂でした。静かに佇む杏の木が、長い歴史の記憶をたたえているように感じられました。

湯島聖堂のアンズ(杏)
孔子と杏壇(きょうだん)
アンズの木は、中国古代の思想家孔子の学び舎「杏壇(きょうだん)」を象徴する木として知られています。
「杏壇」という名は、孔子が弟子たちに学問を教えた場所に杏の木が植えられていたことに由来しています。
孔子(紀元前551年〜479年)は、儒教の祖として、知恵と人間性に重きを置いた教えを説きました。
その思想は、ソクラテス・キリスト・釈迦と並び「四聖(しせい)」の一人として世界中で尊敬されています。
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・本当の智とは、無知を知ることにある。
・全てのものは美しい。しかし、全ての人に見えるわけではない。
・物事とは、聞いた後に忘れ、見た後に覚え、やった後に理解するものだ。
など
こうした教えは、時代を越えて現代の私たちの生き方にも通じるものがあります。
世界最大の孔子像と湯島聖堂の杏壇門
湯島聖堂には、高さ約4.6メートル・重さ約1.5トンという、世界最大の孔子像が建てられています。

世界最大を誇る湯島聖堂の孔子像
出典: 健太 上田 / Adobe Stock
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その足元にある「杏壇門」という名称も、孔子の教えと杏の木のつながりを今に伝えるものです。

湯島聖堂の杏壇門
出典: 健太 上田 / Adobe Stock
日本各地に残る孔子廟(こうしびょう)
孔子を祀る場所は「孔子廟(こうしびょう)」と呼ばれ、日本国内にも文化的価値の高い聖堂が残されています。
湯島聖堂を含め日本に14箇所の聖堂があり、それぞれが文化的な重要性を持っています。
《代表的な聖堂》
・栃木県 足利学校(あしかががっこう)(日本で最も古い学校と言われている)
・長崎県 長崎孔子廟(ながさきこうしびょう)(国内で唯一、本格的な中国様式の建物)
・岡山県 旧閑谷学校(きゅうしずたにがっこう)(世界最古の庶民のための公立学校)
・沖縄県 久米至聖廟(くめしせいびょう)(琉球における最初の公立学校)
アンズ(杏)は、「学業成就」や「人徳」の象徴
アンズの花は、中国では学業の成功や昇進を願う縁起の良いシンボルとして尊ばれ、日本でも湯島聖堂をはじめ、合格祈願の象徴とされています。

湯島聖堂のアンズ(杏)の木
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湯島聖堂のアンズ(杏)の木
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春の訪れとともに咲くアンズの花は、新たな学びの季節の始まりを告げるようでもあり、私自身もこの花を通じて、孔子の思想にあらためて触れる機会となりました。
ソメイヨシノが咲く前の3月〜4月に見頃を迎えるアンズ。花の特徴や見分け方について紹介しています。
湯島聖堂の基本情報
施設名 :湯島聖堂
公式URL:http://www.seido.or.jp/index.html
住所 :東京都文京区湯島1-4-25 湯島聖堂内
※この記事は、関連サイト「Azure Garden」の自然を楽しむブログより移行・再編集したものです。




















