フォトダイアリー 〜小野小町ゆかりの地で出会ったシロハラ 〜

Nature
先日、京都の随心院へ。
ここは小野小町が晩年を過ごしたとされる場所で、境内には彼女が鏡の代わりに使ったと伝えられる「化粧井戸」があります。
小野小町の化粧井戸
竹藪の中にひっそりと佇む井戸へと続く薄暗い道。

小野小町の化粧井戸への小路

化粧井戸の竹藪
足を踏み入れると、静けさに包まれた空間が広がっていました。井戸を覗いたその瞬間、一筋の陽の光が差し込み、わずかに水面が輝きました。
化粧井戸の水面に映り込む、空へとまっすぐ伸びる竹。小野小町もこの景色を眺めていたのかな、などと想像しながら思いを馳せます

小野小町が鏡代わりに使ったと伝わる「化粧井戸」
一瞬の出会い、竹藪に消えたシロハラの奇跡の一枚
竹藪を抜け、境内へ戻ろうとした時、目の前をてくてくと歩く小さな鳥の姿が。ハトより少し小さく、遠目にはヒヨドリにも見えたので、初めはあまり気に留めませんでした。
でも、どこか様子が違う…。気になって、とりあえず撮ってから確認しようとシャッターを切りました。その時には、その鳥はすでに竹藪に消えかけていました。ぎりぎりのタイミングで撮れた、奇跡の一枚。

竹藪に逃げ込もうとするシロハラ
あとで写真を確認すると、
「あなたはだぁれ?」の見慣れない顔。
調べてみると、「シロハラ」というツグミの仲間の渡り鳥でした。冬になると日本にやってくるそうです。
普段は警戒心が強く、藪の中でひっそりと過ごすことが多いといいますが、このシロハラは境内の開けた場所をゆっくりと歩いていました。落ち着いた茶色の羽が、まわりの緑とよくなじんでいます。
小野小町が住んでいたと言われるこの場所で、冬にしか見られないシロハラに一瞬でも出会えたことが、なんだか嬉しく感じたひとときでした。