【バラに学ぶ】世界バラ会議の『殿堂入りバラ(オールドローズ)』を一覧でご紹介

世界バラ会議では、世界中で長年愛されてきたバラを「殿堂入り品種」として選出しています。
本記事では、その中でも歴史的価値の高い「オールドローズ」に焦点を当て、選ばれた名花たちをご紹介します。
なお、モダンローズの殿堂入り品種や、世界バラ会議そのものの概要については、別記事にてご紹介しておりますので、ページ末尾のリンクからご覧ください。
Contents
殿堂入りバラ(オールドローズ)一覧
私がバラ園巡りで実際に出会った『殿堂入りのバラ(オールドローズ)』たちを過去の大会情報と合わせてご紹介します。
セシル・ブリュネ
1988年 ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ ベネルクス大会
『セシル・ブリュネ』は、19世紀後半に作出されたポリアンサローズで、淡いピンクの小輪花が房になって咲く可憐な品種です。花つきがよく繰り返し咲くため、鉢植えや花壇にも適しており、甘くやさしい香りも楽しめます。
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英 名:Cecile Brunner
作出国:フランス
作出者:Ducer
作出年:1881年
系 統:ポリアンサ(Pol)
開花時期:一季咲き
グロワール・ド・ディジョン
1988年 ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ ベネルクス大会
『グロワール・ド・ディジョン』は、1853年にフランスで作出されたクライミング・ティーローズで、アプリコットがかった淡いピンクの大輪と、豊かなティー香が魅力です。繰り返し咲き性があり、アーチや壁面仕立てにも適した優雅なバラです。
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英 名:
作出国:フランス
作出者:Jacotot
作出年:1853年
系 統:クライミングティ(ClT)
開花時期:一季咲き
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オールド・ブラッシュ
1988年 ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ ベネルクス大会
『オールド・ブラッシュ』は、18世紀末に中国からヨーロッパへ導入された四季咲き性のチャイナローズで、「パーソンズ・ピンク・チャイナ」とも呼ばれます。やわらかなローズピンクの中輪花が繰り返し咲き、香りもよく、モダンローズの祖先として重要な品種です。
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オールドブラッシュ(Old Blush)
英 名:Old Blush
作出国:中国
作出者:
作出年:1793年以前
系 統:チャイナ(Ch)
開花時期:四季咲き
スヴニールドゥラマルメゾン
1988年 ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ ベネルクス大会
『スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン』は、1843年にフランスで作出されたブルボン系オールドローズで、淡いピンクの大輪と整ったロゼット咲きが特徴です。優雅な姿と豊かな香りで人気が高く、ナポレオンの妃ジョゼフィーヌゆかりのマルメゾン宮殿にちなんで名づけられました。
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スヴニールドゥラマルメゾン(Souvenir de la Malmaison)
英 名:Souvenir de la Malmaison
作出国:フランス
作出者:Béuze
作出年:1843年
系 統:ブルボン(B)
開花時期:四季咲き
グルス・アン・テプリッツ(日光)
2000年 アメリカ ヒューストン大会
『グルス・アン・テプリッツ』は、ハイブリッド・チャイナ系のオールドローズで、濃紅色の花と光沢のある花弁、そして高い芳香が特徴です。暑さにも比較的強く、四季咲き性を活かして庭植えや鉢植えのどちらでも楽しめる品種です。
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グルス・アン・テプリッツ(Gruss an Teplitz)
英 名:Gruss an Teplitz
作出国:ハンガリー
作出者:Geschwind
作出年:1897年以前
系 統:ハイブリッドチャイナ(HCh)
開花時期:四季咲き
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マダム・アルフレッド・キャリエール
2003年 イギリス グラスゴー大会
『マダム・アルフレッド・キャリエール』は、1879年に作出されたノワゼット系のクライミング・ローズで、白に近い淡いピンクの中輪花と豊かな香りが特徴です。トゲが少なく扱いやすく、半日陰でもよく咲くため、アーチや壁面仕立てにも適した強健な品種です。
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英 名:
作出国:フランス
作出者:Schwartz
作出年:1979
系 統:ノワゼット(N)
開花時期:返り咲き
マダム・アルディ
2006年 日本 大阪大会
『マダム・アルディ』は、1832年にフランスで作出されたダマスク系のオールドローズで、純白の中輪花に緑のボタンアイが映える上品な品種です。強いダマスク香を持ち、一季咲きながら、その気品ある姿で現在も多くのバラ園で愛されています。
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マダム アルディ(Mme. Hardy)
英 名:Madame Hardy
作出国:フランス
作出者:Eugene Hardy
作出年:1832年
系 統:ダマスク(D)
開花時期:一季咲き
ロサ・ムンディ
2009年 カナダ バンクーバー大会
『ロサ・ムンディ』は、16世紀から栽培されているとされるガリカ系のオールドローズで、紅と白の絞り模様が美しい中輪花が特徴です。一季咲きですが、芳香があり、古典的な風情を持つ歴史的な品種として親しまれています。
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英 名:Rosa mundi
作出国:
作出者:
作出年:
系 統:ガリカ(G)
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ムタビリス
2012年 南アフリカ ヨハネスブルグ大会
『ムタビリス』は、コシンバラ(チャイナローズ)の園芸品種で、淡いアプリコットから濃いピンクへと移り変わる花色が魅力です。その名は「変化するもの」を意味し、軽やかな一重咲きと優雅な枝ぶりで、自然風の庭にもよくなじみます。
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ムタビリス(Mutabilis)
英 名:
作出国:中国
作出者:
作出年:1894年以前
系 統:チャイナ(Ch)
ロサ ガリカ オフィキナリス
2012年 南アフリカ ヨハネスブルグ大会
『ロサ・ガリカ・オフィキナリス』は、古くから薬用や香料として用いられてきたオールドローズの一種で、「アポセカリーローズ」とも呼ばれます。濃いローズピンクの半八重咲きで芳香があり、中世ヨーロッパでは薬草園にも植えられていました。
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ロサ ガリカ オフィキナリス(Rosa gallica officinals)
英 名:Apothecary’s Rose, Double French Rose
作出国:中近東
作出者:
作出年:
系 統:ガリカ(G)
シャルル・ドゥ・ミル
2015年 フランス リヨン大会
一季咲きの。ガリカ系の代表品種。
『シャルル・ドゥ・ミル』は、ガリカ系オールドローズのひとつで、深い紅紫色の豊満な花と重なり合う花弁が特徴です。強い芳香を持ち、現在も多くのバラ園で親しまれています。
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英 名:
作出国:オランダ
作出者:
作出年:1746年以前
系 統:ガリカ(G)
ロサ・バンクシア・ルテア(キモッコウバラ)
2018年 デンマーク コペンハーゲン大会
『ロサ・バンクシア・ルテア(キモッコウバラ)』は、中国原産の原種バラで、トゲがほとんどなく、やわらかな黄色の小輪八重咲きが特徴です。春に一斉に咲きそろう姿は見事で、つる性を活かしてアーチや壁面仕立てにも適しています。香りは控えめですが、丈夫で育てやすい品種です。
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キモッコウバラ
英 名:Rosa banksiae f. lutea
作出国:中国
作出者:
作出年:
系 統:原種(Sp)
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コンテ・ドゥ・シャンボール
2022年 オーストラリア 大会
『コンテ・ドゥ・シャンボール』は、ポートランド系のオールドローズで、ロゼット咲きの華やかなピンクの花と豊かな香りが魅力です。比較的コンパクトな樹形で繰り返し咲き、鉢植えや庭植えにも適しています。
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コンテ ドゥ シャンポール(Comte de Chambord)
英 名:Comte de Chambord
作出国:フランス
作出者:ロベール&ボロー
作出年:1860年
系 統:ポートランド(P)
ブラッシュ・ノワゼット
2025年 日本 福山大会
『ブラッシュ・ノワゼット』は、ノワゼット系のオールドローズで、淡いピンクから白に変化する小ぶりな花と、やさしいティー系の香りが特徴です。四季咲き性があり、しなやかな枝ぶりでフェンスやアーチにも向いています。
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ブラッシュ ノワゼット(Blush Noisette)
英 名:Blush Noisette
作出国:アメリカ
作出者:ノワゼット
作出年:1814年
系 統:ノワゼット(N)
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オールドローズは、現代のバラのルーツともいえる存在であり、長い歴史を超えて、今なお多くの人々に愛され続けています。
世界バラ会議についての詳細はこちら
世界バラ会議の概要や選出基準などの詳細につきましては、下記の記事をご参照ください。

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