【植物に学ぶ日本文化】住吉大社の卯之葉(うのは)神事

前回は、5月に咲くウツギ(卯の花)についてご紹介しました。
ウツギは、古くから神事や祭事で用いられることが多く、神聖な植物とされてきました。
今回は、私の住む大阪市にある住吉大社で行われる「卯之葉神事(うのはしんじ)」と、ウツギの関わりについてご紹介します。
卯之葉(うのは)神事とは
大阪市住吉区にある住吉大社は、全国に約2,300社ある住吉神社の総本社で、1800年の歴史を誇る由緒ある神社です。
毎年、ウツギが咲く5月の最初の卯の日に、「卯之葉神事(うのはしんじ)」という神事が行われます。この行事は、住吉大社の創建を記念する重要な儀式のひとつです。
2025年は、以下の日程で開催されました。
開催場所: 住吉大社
開催日時: 2025年5月10日(土) 13:00
公式URL: https://www.sumiyoshitaisha.net/events/annualevents/05.html
卯(うさぎ)と神社
住吉大社は、211年の卯年の「卯月」の最初の「卯の日」に創建されたと伝えられています。
それ以降、ウサギは神社と深い繋がりを持つとされています。

住吉大社の撫でうさぎ
卯之葉神事は、住吉大社の創建を記念する祭礼であり、旧暦の「卯月」にあたる5月の最初の「卯の日」に行われます。
出典:地域観光資源の多言語解説文データベース [卯之葉神事 ]
卯之葉神事とウツギ
神事の中では、ウツギの枝が神聖な植物として用いられ、古くから邪気を払うものとされてきました。
特別な役割を担ってきたこの花は、今もなお神事において大切に扱われています。
卯之葉神事では、ウツギの枝が祭具として使用されます。
枝を神前に供えることで清浄な空間を生み出し、神聖な儀式を執り行うとされています。
このウツギの枝には、邪気を祓う力があると信じられ、出雲大社をはじめとする他の神社の神事でも用いられています。
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こちらの写真は、2025年の卯之葉神事の様子です。
儀式に臨む神職たちの右胸元には、卯之葉神事を象徴する卯木の花が添えられていました。
- 儀式に臨む神職たち。
- 神前に供えられた卯の花。
ウツギの玉串を神前に供え、住吉大社の創建を祝うとともに、新しい季節の始まりを清らかな心で迎えるための、大切な行事なのだと感じました。
5月のみ一般公開される住吉大社の「卯の花苑」
住吉大社の境内には「卯の花苑」というウツギの名所があります。

住吉大社の「卯の花苑」
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住吉大社の卯の花苑
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卯之葉神事が行われる5月のみ一般に特別公開されます。卯の花苑には、13種、約500株のウツギが見られますので、この時期に訪れる機会がある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
開催場所: 住吉大社
開催期間: 2025年5月1日(木)〜31日(土)
開園時間: 10:00〜16:00
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卯の花苑へのアクセスについて
卯の花苑へのアクセスについては、住吉大社の公式サイトをご参照ください。
▶︎ 卯の花苑へのアクセスマップ 住吉大社 – 境内案内図
卯の花苑は、「住吉武道館の向かい側」にあります。
- 住吉武道館
- 卯の花苑は武道館の向かい
公式マップ上には「卯の花苑」の名称が記載されていないため、初めて訪れる方は住吉武道館を目印にすると、場所がわかりやすいです。
名称:住吉大社
住所:大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
公式サイト:https://www.sumiyoshitaisha.net
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参考:卯之葉神事 住吉大社 2024.6.7
※この記事は、関連サイト「Azure Garden」の自然を楽しむブログより移行・再編集したものです。
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ウツギと名のつく花を6種類紹介しています。

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卯の花苑に行ってきました。開花状況はこちらで紹介しています。

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