個性あふれる花姿が魅力の、ヤグルマギク(矢車菊)

ヤグルマギク(矢車菊)は、春から初夏、4月〜6月にかけて美しい花を咲かせる植物です。
澄んだ青を中心に、白、ピンク、赤など多彩な色合いが、季節の風景を彩ります。
ヤグルマギクの特徴
ヤグルマギク最大の魅力は、やはりその個性的な花姿にあります。
細く繊細な花びらが放射状に広がり、どこか可憐でありながらも凛とした印象を与えます。

ヤグルマギク(矢車菊)- Cornflower
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ヤグルマギクの由来

矢車
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鯉のぼりの支柱の先についている矢車に形が似ているヤグルマギク。
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※なお、同じく”ヤグルマ”の名を持つ「ヤグルマソウ(ユキノシタ科)」とは異なる植物です。
世界中で愛されるガーデンフラワー
ヤグルマギクは、イギリスをはじめとする世界各地のガーデンで親しまれてきた花です。
澄んだ青をはじめ、白、ピンク、赤など、豊かなカラーバリエーションも魅力です。
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カラーバリエーション豊富なヤグルマギク
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「世界で楽しまれている50の園芸植物」にも選ばれており、ガーデン雑誌などで目にするイギリスのコテージガーデンやボーダーガーデンでもよく取り入れられています。

ボーダーガーデンに咲き誇るバラと宿根草
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バラや宿根草に囲まれたガーデンの中で、小さな姿ながら、なぜかふと目に留まるブルーの花──それが、ヤグルマギクの魅力だと感じています。
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切り花としての魅力 〜西洋のブーケにも〜
また、ヤグルマギクは切り花としても長持ちすることから人気があります。
特に西洋では、ウェディングブーケや季節のアレンジメントに取り入れられることも多く、その爽やかな青色が、特別な日の装いに上品なアクセントを添えています。

愛と純潔の象徴として、結婚式に選ばれるヤグルマギク
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ヤグルマギクは、結婚式で新郎の襟元を飾る「ブートニアフラワー(boutonniere flower)」としても親しまれています。
もともとこの花は、ビクトリア王朝時代に、未婚の男性がボタンホールに挿して恋愛感情を示す風習から、「バチェラーズボタン(Bachelor’s Button)」と呼ばれるようになりました。
澄んだ青に込めた願いは、時を越え、今も結婚式のブートニアとして、人々の心に静かに響いているのかもしれません。
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ヤグルマギクの青色にも通じる、キリスト教文化における「西洋のブルー」については、関連記事でも紹介しています。
よろしければ、そちらもあわせてご覧ください。

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ヤグルマギクの基本情報

ヤグルマギク(矢車菊)- Cornflower
花名:ヤグルマギク
科名:キク科
属名:ヤグルマギク属
別名:コーンフラワー、セントーレア
学名:Centaurea cyanus
英名:Cornflower, blue-bottle, bachelor’s button, boutonniere flower, hurtsickle, cyan
花期:4月~6月
花色:白、青、紫、赤、ピンク、茶
花言葉:優美、繊細、幸福、無邪気
ヤグルマギクの仲間
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- ヤグルマギク
- セントーレア・モンタナ
- アーティチョーク
- アゲラタム
- エーデルワイス
- エキナセア
- オオアワダチソウ
- オステオスペルマム
- ガーベラ
- カモミール
- キバナコスモス
- コスモス
- コダチダリア
- サイネリア
- ハルジオン
- ヒマワリ
- ヒメジオン
- ブルーデージー
など
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参考
・『花しらべ花認識/花検索』アプリ
・ジェイミー・バターワース 著、上原ゆうこ 訳『イギリス王立園芸協会版 世界で楽しまれている50の園芸植物図鑑』グラフィック社、2021年2月11日
・杉原梨江子 著『神話と伝説にみる 花のシンボル事典(第3版)』説話社、2021年7月15日
※この記事は、関連サイト「Azure Garden」の自然を楽しむブログより移行・再編集したものです。
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