夏に咲くネムノキ(合歓の木)の魅力|花の特徴と名前の意味、縁起の由来まで

ネムノキは、6月〜8月にかけて白とピンク色のふわふわとした花を咲かせる、夏の代表的な花木です。もともとは川沿いなどの湿った場所に自生していましたが、現在では庭木や街路樹、公園樹としても広く利用されています。
近所の散歩道では、川沿いでネムノキを見ることができます。桜の季節が終わったあと、川沿いをもう一度ピンク色に染めてくれる、大好きな花のひとつです。
Contents
ネムノキってどんな花?
ネムノキの花は、細長い糸状の雄しべが多数集まって扇形に広がるのが特徴です。白とピンクが混ざった繊細な色合いで、遠目からもよく目立ちます。つぼみは小さく丸く、金平糖のような形をしています。

ふわふわとした扇形の花と金平糖のような蕾
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成長すると10〜15メートルほどの高さに達し、横に広がる枝ぶりと風通しの良い樹形を持っています。夏には樹冠に広がる花が特によく目立ち、日陰をつくる木としても優れています。

公園で日陰を作っているネムノキ
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名前の由来
日本語名:ネムノキ(合歓の木)
ネムノキという名前は、夜になると葉が閉じる性質から、「眠る木」=「ネムノキ」と呼ばれるようになったようです。

ネムノキ(合歓の木)- Silk tree
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また、「合歓(ごうかん)」という漢字表記には「共に喜ぶ」「心を通わせる」といった意味があります。対になった葉が寄り添うように閉じる姿が、人と人の親しい関係、特に夫婦や家族の絆を象徴しているとされ、この名前には調和や団結といった意味も込められています。
英語名:Silk Tree(シルクツリー)
花の繊細な糸状の構造が絹糸のように見えることから、英語では「Silk Tree(シルクツリー)」と呼ばれています。

ネムノキ(Silk Tree)
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夜になると閉じる葉
ネムノキの葉は羽状複葉で、小さな葉が多数並んでいます。日中は開いて光を取り込みますが、夜になると自然に閉じる「就眠運動」を行います。この動きは時間帯や光の有無によって変化し、外からの刺激で反応するわけではないようです。

ネムノキ(Silk Tree)
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これはマメ科の植物によく見られる特徴で、水分の蒸発を防ぐのだそうです。
葉っぱがよく似たオジギソウとの違い
ネムノキの葉はオジギソウに似ていると感じられることがありますが、明確な違いがあります。オジギソウは触れると葉を閉じる「感覚運動」を行いますが、ネムノキは刺激には反応せず、光と時間帯による自然な開閉のみが起こると言われています。

ネムノキ(Silk Tree)
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「夫婦円満の木」として親しまれ縁起の良い木
中国では、ネムノキは「夫婦円満の木」として親しまれています。対になった葉が仲の良い夫婦を連想させるため、夫婦の絆を象徴する縁起の良い木とされています。
家庭円満や良縁を願う象徴として扱われることもあります。

ネムノキ(Silk Tree)
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ネムノキの基本情報

ネムノキ(合歓の木)- Silk tree
花名:ネムノキ(合歓の木)
科名:マメ科
属名:ネムノキ属
別名:ネム、ネブノキ
学名:Albizia julibrissin Durazz.
英名:Silk tree
花期:6月~8月
花色:ピンク
花言葉:歓喜
ネムノキの仲間
マメ科の仲間
- オジギソウ
- キングサリ
- スイートピー
- ナヨクサフジ
- シロツメクサ
など
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参考:「就眠運動」, 農材ドットコム, 2025.6.4