ソメイヨシノの実はならない? 花後に見える「名残のかたち」
/ Last updated: 2025.10.29
日本の春を彩るソメイヨシノ。
たくさんの人が花を楽しんだあと、その枝先に小さな実のようなものがついているのをご存知でしょうか?
今回は、春の終わりから初夏にかけて、ソメイヨシノの「花のあと」を観察しながら、その「実」の正体と季節の変化をたどってみました。
花後に見つけた「小さな実」
3月下旬、大阪市内の公園で満開を迎えたソメイヨシノ。
4月下旬、花が散ったあと、枝の先に控えめな緑色の「実」のようなものを発見しました。
4月下旬:小さな実
【写真:2025年4月下旬】
花が終わったあとに育ち始めた、小さな実のようなもの。

ソメイヨシノの実 – 大阪市にて 2025.04.27撮影
5月上旬:黒ずんで、枯れたような変化
約10日後、同じ木を訪れてみると、先日見つけた実らしきものの姿は、ほとんど見当たりませんでした。
よく探してみると、あのときの実だったと思われるものが黒く変色し、しぼんだような様子になっていました。
【写真:2025年5月上旬】
▶︎ 黒くなった「実」のようなもの。近づくと乾いた印象に。

ソメイヨシノの実 – 大阪市にて 2025.5.8撮影
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ピントを合わせるのが難しいほど小さな実でした。
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ソメイヨシノは結実しない?
後日あらためて調べてみると、「ソメイヨシノは実がならない」という記事をいくつか見かけました。
ソメイヨシノは「クローン桜」として知られ、人工的に接ぎ木で増やされた品種です。
花は咲くものの、通常は受粉や結実が起こりにくく、もし実ができたとしても、それはごくごく稀なことなのだそうです。
多くの「実のように見えるもの」は、受粉せずにそのまま落ちてしまう、「名残」のような存在。
このことから考えると、あのとき見かけたソメイヨシノの実らしきものは、結実ではなく「花の終わりの痕跡」という感じのようです。
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《参考》
・ソメイヨシノの種子について, 日本植物生理学会, 2025.7.1
他の実たちについてはこちらでも紹介しています。




















