夏を彩るアオイ科の花たち | ハイビスカスからフヨウまで

夏のアオイ科の植物たち - Malvaceae
Botanical Notes


当サイトではアフィリエイト広告(プロモーション)を利用しています。

夏の光を受けて大きく咲き誇るアオイ科の花々。

ハイビスカスやムクゲ、フヨウ、スイフヨウ、タチアオイ、モミジアオイ――どれも親しみのある花ですが、それぞれに異なる魅力と背景を持っています。

南国のリゾートを象徴するものから、日本の庭先を彩るものまで、その姿は実に多彩です。
本記事では、代表的なアオイ科の花の特徴を取り上げ、文化や季節との関わりを紹介します。

ハイビスカス ― 南国を象徴する花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:熱帯アジア / 花径:5 – 20cm

ハイビスカスは鮮やかな赤・オレンジ・黄色などの花色が特徴で、南国リゾートを象徴する花です。
花径は5〜20cmと大きく、光沢のある楕円形の葉とともに、全体的に艶やかな印象を与えます。
花の寿命は1日と短いですが、次々と咲くため長く楽しむことができます。

ハイビスカス - Hibiscus

ハイビスカス – Hibiscus

————— —————

ハワイではレイや髪飾りとして用いられ、観光文化や人々の暮らしに欠かせません。
一方、沖縄では「アカバナー(赤花)」と呼ばれ、墓参りの供花や日常の景観を彩る花として根付いています。
日本本土でも鉢植えや庭木として人気があり、夏を象徴する花の一つです。



ムクゲ ― 長く咲き続ける小ぶりな花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:中国 / 花径:5 – 10cm

日本では古くから庭木や生け垣として広く利用されてきました。7月から10月頃までと花期が非常に長く、白や桃色、紫、赤紫など多彩な花色が楽しめます。
韓国では国花「ムグンファ」として尊ばれ、その名が「ムクゲ」の呼称の由来となりました。

ムクゲ(木槿)- Rose of Sharon

ムクゲ(木槿)- Rose of Sharon

————— —————

花は一日花ですが、次々とつぼみをつけるため、夏から秋にかけて絶え間なく咲き続けるように見えるのが特徴です。
フヨウより小ぶりながら丈夫で育てやすく、日常の風景に自然に溶け込み、夏の茶花としても親しまれています。



フヨウ ― 日本の夏を代表する大輪花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:中国・日本 / 花径:8 – 15cm

フヨウは庭木として古くから日本で愛されてきた花で、淡いピンクや白の大輪が夏の庭を涼やかに彩ります。
花径は8〜15cmと大きく、朝に開花し夕方にはしぼむ一日花ですが、夏の間次々と咲き続けます。
その姿から「夏の美人花」とも称されました。

フヨウ(芙蓉)- Cotton Rose

フヨウ(芙蓉)- Cotton Rose

————— —————

和歌や絵画にも描かれ、古典文学や茶の湯の世界で季節を映す植物として重宝されてきました。
「芙蓉」はもともと蓮を意味する言葉で、区別するために木に咲くものを「木芙蓉(フヨウ)」、水に咲くものを「水芙蓉(ハス)」と呼び分けています。
またムクゲ同様、夏の茶花としても親しまれ、涼やかな風情を添える花として用いられています。

スイフヨウ ― 移ろう色を楽しむ花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:中国 / 花径:8 – 15cm

スイフヨウはフヨウの八重咲き園芸品種で、朝は白く清らかに咲き、夕方には紅色へと移ろいます。
一日の間に花色が変化する様子は、他の花にはない大きな魅力です。

スイフヨウ(酔芙蓉)- Confederate rose

スイフヨウ(酔芙蓉)- Confederate rose @ 6:00ごろ

————— —————

スイフヨウ(酔芙蓉)- Confederate rose

スイフヨウ(酔芙蓉)- Confederate rose @ 15:00ごろ

————— —————

花色が移ろう姿がお酒を飲んで頬を染めたように見えることから「スイフヨウ」と呼ばれました。
江戸時代には観賞用として広まり、庭木として人気を集めました。
現在も庭園や公園で親しまれ、季節の移ろいを身近に感じさせてくれる花です。



タチアオイ ― 梅雨を告げる花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:トルコ・東ヨーロッパ / 花径:5 – 10cm

タチアオイは初夏から夏にかけて茎をまっすぐに伸ばし、2メートル前後にも達する高さで、縦に連なるように花を咲かせます。
花が茎の先端まで咲ききると梅雨明けといわれ、日本では季節を知らせる花として親しまれてきました。

タチアオイ(立葵)- Hollyhock

タチアオイ(立葵)- Hollyhock

————— —————

空に向かって咲き誇るタチアオイ

空に向かって咲き誇るタチアオイ

————— —————

イギリスでは「ホリーホック」としてコテージガーデンやイングリッシュガーデンに欠かせない花とされ、壁際や庭の背景を彩る姿が愛されています。
薬草として利用された歴史もあり、観賞用としてだけでなく人々の暮らしに深く関わってきました。

モミジアオイ – 朱赤が和に映える花

科名:アオイ科(Malvaceae) / 原産:北アメリカ / 花径:10 – 20cm

モミジアオイは19世紀に日本に導入され、観賞用として広まりました。
細長い花びらが星形に広がる朱赤の大輪は強い存在感を放ちながらも、和の景観に調和する不思議な魅力を持っています。
葉には深い切れ込みがあり、モミジのような姿も印象的です。
花はハイビスカスと同じく一日花で、夏から初秋にかけて次々と咲き続けます。

モミジアオイ(紅葉葵) - Scarlet rose mallow

モミジアオイ(紅葉葵) – Scarlet rose mallow

————— —————

北アメリカ原産の植物でありながら、鮮やかな朱赤の花色のためか、和の景観にも違和感なく調和します。
料亭の庭や日本庭園の一角に映える姿は、異国の花でありながら日本的な落ち着きを添える存在として印象的です。

おわりに

ハイビスカス、フヨウ、スイフヨウ、ムクゲ、タチアオイ、モミジアオイ――いずれもアオイ科に属しながら、それぞれ異なる特徴を持ちます。

南国の象徴から日本の夏の庭木まで、文化や生活の中で多様な形で親しまれてきました。
アオイ科の花を知ることで、季節の景色がより豊かに感じられます。




関連記事
ハイビスカス、フヨウ、ムクゲの見分け方はこちらで紹介しています。

ピックアップ記事

関連記事一覧