テイカカズラ(定家葛)|初夏を彩る星型の花と名前の由来

テイカカズラ(学名 Trachelospermum jasminoides)は、キョウチクトウ科の常緑つる性植物です。
初夏の5月から6月にかけて、小さな星形の白い花を咲かせ、甘く強い香りを放ちます。
テイカカズラの特徴
厚みのある濃緑の葉を持ち、壁や樹木に絡みながら成長します。
花はジャスミンに似た芳香を持ちますが、実際にはジャスミンとは異なる仲間です。
開花時期には一面に白い花を咲かせ、やがてクリーム色へと移ろいます。

星型に咲く花と厚みのある葉
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名前の由来
「定家葛(テイカカズラ)」という名は、平安末期の歌人・藤原定家にちなみます。
定家は『小倉百人一首』という和歌集を編んだことで広く知られる人物です。
式子内親王を愛した定家は、死後もなお彼女を忘れられず、カズラに生まれ変わって彼女の墓に巻き付いた――そんな伝説が語り継がれています。
一方、西洋では、テイカカズラ(Star Jasmine)は愛や絆、美しさ、純粋さを象徴し、さらに星型の花の形から繁栄や幸運の意味も込められているといわれています。

世界でも愛されるテイカカズラ
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世界で楽しまれる植物
『世界で楽しまれている50の園芸植物図鑑』でも紹介されるように、テイカカズラは世界中の庭園文化の中で愛されています。
光沢感のある青々とした葉と、星を思わせる白い花は、空間を明るく演出すると評されており、その上に漂う優しい香りが人々を惹きつけます。

初夏の庭を明るく彩るテイカカズラ。
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塀に絡みつくテイカカズラ
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テイカカズラの基本情報
花名:テイカカズラ
科名:キョウチクトウ科
属名:テイカカズラ属
別名:トウテイカカズラ、スタージャスミン
学名:Trachelospermum jasminoides
英名:Star jasmine
花期:5月~6月
花色:白
花言葉:優雅、栄誉、依存、永遠の愛
テイカカズラの仲間
- アスクレピアス
- アリアケカズラ
- イエライシャン
- キョウチクトウ
- ツルニチニチソウ
- ニチニチソウ
- プルメリア
など
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参考
・『花しらべ花認識/花検索』アプリ
・ジェイミー・バターワース 著、上原ゆうこ 訳『イギリス王立園芸協会版 世界で楽しまれている50の園芸植物図鑑』グラフィック社、2021年2月11日