中国の野生バラと園芸品種|日本とヨーロッパへ渡ったバラたち

ロサ キネンシス(Rosa Chinensis)
Column


当サイトではアフィリエイト広告(プロモーション)を利用しています。

中国原産のバラ

中国原産のバラは、「チャイナローズ」とも呼ばれ、現在のモダンローズにも大きな影響を与えた存在です。

特に、

⚪︎四季咲き性
⚪︎ティー系の香り
⚪︎深みのある赤色
⚪︎反り返る花弁

などは、中国のバラから受け継がれた特徴として知られています。

18〜19世紀には、中国からヨーロッパへ複数のチャイナローズが渡り、その後のバラの育種にも大きな影響を与えました。

今回は、バラ園で見かけた中国原産の野生バラや関連品種を、個人的なメモとして少しずつ整理しながらまとめています。
今後も適宜見直しながら更新していく予定です。

※ 系統表記は現地の樹名板を参考にしています。バラの分類は資料やバラ園によって異なる場合があります。



コウシンバラ

四季咲き性
モダンローズに貢献
江戸時代渡来

四季咲き性を持つ、中国原産の代表的な原種バラです。
現在の四季咲きバラのもとになった重要な品種として知られています。

中国名では「長春花(ちょうしゅんか)」や「月季花」と呼ばれ、「長く咲き続ける花」という意味があります。

名前からも、四季咲き性が印象的なバラだったことが伝わってきます。

「庚申(こうしん)」とは「かのえさる」で、60日に一度あることを指し、たびたび花が咲く四季咲きの意味である。
引用:鈴木省三 ばら花図鑑 国際版 小学館 1996.4.1

ロサ キネンシス(Rosa Chinensis)

ロサ キネンシス
(Rosa Chinensis)


品種: ロサ キネンシス
和名: コウシンバラ(庚申バラ)
英名: China Rose, Bengal Rose
学名: Rosa chinensis
原産: 中国
系統: 原種(Sp)

————— —————

ロサ キネンシス(Rosa chinensis)

ロサ キネンシス
(Rosa chinensis)

スレイターズ クリムゾン チャイナ

深い赤
ヨーロッパ渡来
現代赤バラへの影響

中国からヨーロッパへ渡った「チャイナローズ」のひとつです。

深みのある赤色が特徴で、当時のヨーロッパでは珍しい色彩だったとされています。
現在の赤バラにつながる存在としても知られています。

ロサ キネンシス系統のバラは、ヨーロッパの一季咲きバラとは異なり、繰り返し花を咲かせる性質を持っていました。

スレイターズ クリムゾン チャイナ(Slater's Crimson China)

スレイターズ クリムゾン チャイナ
(Slater’s Crimson China)

ティーセンティッド・チャイナ

ティーの香り
ヨーロッパ渡来
ティーローズへの影響

中国からヨーロッパへ渡った「チャイナローズ」のひとつです。

名前にある「ティー」は、紅茶の香りを思わせる独特の芳香に由来するとされています。
後のティーローズ系統にもつながる重要な品種です。

中国バラ特有の、細身で反り返る花弁や繊細な花形は、現在のティーローズ系統にも受け継がれています。

ヒュームズ ブラッシュ ティー センテッド チャイナ(Hume's Blush Tea-Scented China)

ヒュームズ ブラッシュ ティー センテッド チャイナ
(Hume’s Blush Tea-Scented China)



グリーン ローズ

緑色のバラ
花弁の変化
中国の園芸品種

花びらが葉のように変化した、緑色のバラです。
一般的なバラとは大きく異なる姿をしており、中国名では「青花」と呼ばれるようです。

最初は花なのか蕾なのか迷うような独特の姿ですが、緑色に見える部分は花弁が変化したものとされています。

オールドブラッシュの枝変わり。

ロサ キネンシス ヴィリディフローラ(Rosa chinensis viridiflora)

ロサ キネンシス ヴィリディフローラ
(Rosa chinensis viridiflora)

品種: ロサ キネンシス ヴィリディフローラ
和名: グリーン ローズ
英名: Green Rose
学名: Rosa chinensis viridiflora
原産: 中国
系統:

————— —————

ロサ キネンシス ヴィリディフローラ(Rosa chinensis viridiflora)

ロサ キネンシス ヴィリディフローラ
(Rosa chinensis viridiflora)

セブン シスターズ

房咲き性
ノイバラ系
中国の古い園芸品種

コウシンバラとノイバラ系統の特徴を受け継ぐ品種です。
ノイバラは日本の野生バラで、房咲き性を持つことで知られています。

学名の「multiflora(ムルティフローラ)」には、“たくさん花をつける”という意味があります。
蕾がまとまって咲く姿にも、その特徴が表れています。

中国のバラと日本の野生種のつながりを感じられる品種です。

ロサ ムルティフローラ プラティフィラ(Rosa multiflora platyphylla)

ロサ ムルティフローラ プラティフィラ
(Rosa multiflora platyphylla)


品種: ロサ ムルティフローラ プラティフィラ
和名: セブン シスターズ(七姉妹)
英名: Seven Sisters Rose
学名: Rosa multiflora platyphylla
原産: 中国
系統:

————— —————

ロサ ムルティフローラ プラティフィラ(Rosa multiflora platyphylla)

ロサ ムルティフローラ プラティフィラ
(Rosa multiflora platyphylla)



イザヨイバラ

野生バラ
不規則な花形
江戸時代渡来

中国原産の野生バラです。

花弁が多く、不規則に欠けたような独特の花形をしています。
名前の「十六夜(いざよい)」は、満月の翌日の少し欠けた月を意味します。

花弁の形が、その月の姿に重ねられたとも言われています。

整った花形のバラとは異なり、どこか野生味の残る姿が印象的でした。

日本へは江戸時代に渡来したとされています。

ロサ ロクスブルギー(Rosa roxburghii)

ロサ ロクスブルギー
(Rosa roxburghii)


品種: ロサ ロクスブルギー
和名: イザヨイバラ
英名:
学名: Rosa roxburghii
原産: 中国
系統:

————— —————

ロサ ロクスブルギー(Rosa roxburghii)

ロサ ロクスブルギー
(Rosa roxburghii)

モッコウバラ

一重咲き
トゲが少ない
江戸時代渡来

白の一重咲きのモッコウバラです。

花びらは小さめで、細い枝を伸ばす半つる性。
枝にトゲが少ないのも特徴です。

現在よく見かける八重咲きのモッコウバラとはまた違った、素朴な雰囲気があります。

日本へは江戸時代に渡来したとされています。

ロサ バンクシアエ ノルマリス(Rosa banksiae normalis)

ロサ バンクシアエ ノルマリス
(Rosa banksiae normalis)


品種: ロサ バンクシアエ ノルマリス
和名: モッコウバラ
英名:
学名: Rosa banksiae normalis
原産: 中国
系統:

————— —————

現在のモダンローズにも、中国原産のバラから受け継がれた特徴が数多く残されています。
庭園で見比べながら、少しずつ整理していきたいと思います。

《参考》
魅惑のオールドローズ図鑑 監修・文 御巫由紀 / 写真 大作晃一 世界文化社 2018.3.25

ピックアップ記事

関連記事一覧