シキミ(樒)|春に咲く淡い黄色の花と、仏前に供えられる常緑樹
/ Last updated: 2026.10.18
シキミ(樒)は、マツブサ科の常緑小高木です。
3月〜4月ごろに、細長い花びらが広がる淡い黄色の花を咲かせます。
シキミの花の特徴

淡い黄色の花を咲かせるシキミ
————— —————
シキミの花は、直径3cmほど。
細長い花びらが幾重にも重なるように並び、外側へ広がっています。

細い花びらが広がって咲くシキミ
————— —————
花色は淡い黄色からクリーム色で、緑の葉の間に咲きます。
一輪を近くで見ると、花びらの細さや重なり方がよくわかります。
光沢のある葉
シキミの葉は細長い楕円形で、表面に光沢があります。
やや厚みがあり、葉の縁にはギザギザがありません。

シキミの細長い楕円形の葉
————— —————
一年を通して緑の葉が見られ、枝葉には独特の香りがあります。
学名の Illicium は、ラテン語の「誘惑する」という意味の言葉に由来し、その香りにちなむとされています。
また、anisatum は「アニスに似た香りを持つ」という意味で、学名の両方に香りとの関わりが見られます。
仏前や墓前に供えられるシキミ
シキミは、仏前や墓前に供える植物として使われてきました。
寺院の境内や墓地などに植えられていることもあります。
地域によっては「シキビ」とも呼ばれ、花よりも、供えられた枝葉の姿になじみがあるかもしれません。
シキミは、『源氏物語』にも登場します。
「若菜下」では、出家した朧月夜(おぼろづきよ)が、光源氏への手紙をシキミに添える場面があります。仏事に使われる植物が、別れを伝える手紙にも添えられていたのですね。
長居植物園では、この一節を紹介する案内板が見られました。
シキミの名前の由来
「シキミ」の名前は、有毒な実を意味する「悪しき実」に由来するという説があります。
漢字では「樒」と書きます。
「シキビ」のほか、「ハナノキ」「ハナシバ」などの別名も知られています。
星形に並ぶ実と毒性
花のあとには、先のとがった実が星形に並びます。
秋になると熟して裂け、中から種子が出てきます。
香辛料の八角に似た形ですが、八角は別種のトウシキミの実です。
シキミは植物全体に有毒成分を含み、特に実や種子には強い毒性があります。
実や葉を食用にすることはできません。
シキミの基本情報
花名:シキミ(樒)
科名:マツブサ科
属名:シキミ属
学名:llicium anisatum
花期:3月〜4月ごろ
花色:白、黄
マツブサ科の仲間
- アメリカキシミ
- サネカズラ
- チョウセンゴミシ




















